商店の女性店主

子育てしながら、お店を切り盛り

ミャンマーの最大都市ヤンゴンから車で約2時間半。

郊外のカヤン郡区に構える小さな雑貨屋に一歩足を踏み入れると、
緑の鮮やかなロンジーに身を包んだ女性が、小さな息子さんとともに私たちを迎え入れてくれた。

オープンな店内には、お菓子や日用品、化粧品などが所狭しと並んでいる。

ミャンマーの商店

街を歩けば、屋台から女性の威勢のいい声が響き渡り、
出産直前までオフィス勤めをしている方もたくさんいる。

ミャンマーにはそんなエネルギッシュな女性が様々な場面で活躍をしているが、
今回お話を伺ったニンユーワイさん(28)もそんな女性の一人である。

自宅兼店舗。カーテンの向こう側にはテレビや子供用のハンモックなどが置かれている。

人気商品TOP3を聞いてみた

ヤンゴンから少し離れると大きなスーパーなどは見当たらなくなる。住民は小さな雑貨屋や市場で日常生活に必要なものを調達している。

ニンユーワイさんが営むのは小さな雑貨屋だ。1日に訪れるお客さんは約30人。
365日年中無休、早朝6時から、閉店の21時まで子育てをしながら一人で店を切り盛りする。

「客層は主に主婦で、食材から化粧品、子供の学用品まで幅広い品揃えが魅力よ。」得意そうに彼女は話してくれた。

そんな彼女に、人気商品トップ3を聞いてみた。

まずはブレイクタイムに欠かせないあの一品。
道端の小さな屋台でも小さなマグカップに淹れて楽しむ人が多い…それは、

 

第3位:インスタントコーヒー!

インスタントコーヒー

ミャンマーでは街中の売店でよく見かけるバラ売りのインスタントコーヒーだが、やはりこの店でも売れ行きが良いらしい。30袋入りのパック、2,700チャット(約190円)もあるが、やはり1袋100チャット(約7円)のバラ売りが人気。

朝ごはんとともに、おやつの時間に、寝る前のほっと一息つきたい時に、
一杯だけ飲みたいという需要が高いようだ。

 

人気商品No.2は、主婦層の購買客が多いことからもわかるように、
毎日料理を作るために必要なもの…

 

第2位: 食料品!

この雑貨店では、玉ねぎ、にんにく、ジャガイモ、卵などが売られており、忙しい主婦達の味方だ。
ちなみに、夕飯のメニューで一番多いのは「ヒン (ミャンマーカレー)」とのこと。

食料品

これらは卸売市場で仕入れてくる。

例えば玉ねぎは1ペイター(約1.6kg/約8個)を900チャット(約63円)で買いつけ、1,200チャット(約84円)で販売する。

野菜の量り売り
量り売りがメインだ。

 

そして、栄えある人気No.1は、
小学生から高校生の子供がいる家庭では必須の…

 

第1位:学生服!

ミャンマーの制服

ミャンマーでは、小学校から高校まで白と緑をベースにした学生服を身につけるのがルール。
客層に主婦が多いため、学生服はよく売れるそう。
こちらの学生服は、3,300チャット(約230円)で仕入れ、3,500チャット(約245円)で販売している。

ニンユーワイさんは、これらの品物を2つのルートから仕入れている。
一つは、カヤン郡区にある卸売市場から。
2~3日に一度はニンユーワイさん自身がバイクを走らせて、必要なものを買い付けに行く。

ちなみに、この雑貨屋さんで一番高価な品物だという米袋3万チャット(約2,100円)は50kg以上の重さがあるにもかかわらず、彼女は一人で運んでくるという…。

50Kgの米袋

前者がメインではあるが、もう一つの仕入れ方法として、配送サービスがある。

頻度は2ヶ月に1回ほどで、主にシャンプーや化粧品などは直接小売店に配送する卸売業者から仕入れる。

消費者の心をガシっと鷲掴みにする品揃え・サービス

こじんまりとした店内にもかかわらず、ニンユーワイさんのお店にはバラエティ豊かな品物が並ぶ。

商店の女性店主

「ここには、他店では手に入らないものをたくさん置いているのよ。例えば、サンダルや化粧品、ロンジー用の布、それから建築用の資材まで取り揃えているの。」

そう話すニンユーワイさんの顔は少し誇らしげだ。

ロンジーの布
ロンジー(ミャンマーで日常的に着用されている伝統的な民族衣装)を作るために用いるカラフルな布だ。

 

建築用資材の釘
建築用の資材、釘も揃っている。

客層のニーズを確実に捉えているからこそ、小さな店内であっても品揃えに無駄がない。

そして7ヶ月前から、テーラーも副業として始めた。
「近くに仕立屋がないから、困っている」というお客さんからの声がきっかけだったそう。

マイクロファイナンスで借り入れた20万チャット(約1万4,000円)のうち、5万チャット(約3,500円)で中古のミシンを購入した。

ミシン

雨季真っただ中の今は、耕作中に使用するレインコートを作って欲しいという依頼が多い。
また、贈り物は時期を問わず人気だ。

レインコートを着る女性
完成したレインコートを着用する客の女性。

「今後は季節に合わせて、販売する品物をさらに工夫していきたい」そう意気込んで語るニンユーワイさん。

雨季明けによく売れるという結婚祝い、シーズンに合わせた新しい化粧品などなど。
お客さんの声を参考に今後も消費者の心をガシっと掴んで離す事はないだろう。

 

笑うニンユーワイさん話し手:ニンユーワイさん(28)
ビジネス:雑貨
世帯人数:3人(夫、子ども1人)
世帯月収:60万チャット(4万2千円)
(内訳)
            雑貨屋経営:30万チャット(約2万1,000円)
            家具店を営む夫の収入: 30万チャット(約2万1,000円)
            副業の仕立屋:不定期

取材協力MJI Enterprise

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